スウェーデン式サウンディング試験(SWS試験)とは?基本から調査方法まで解説

地盤の状態は、建物の安全性に直結する重要な要素です。特に住宅を新築する際や、建て替えを検討している場合には、事前の地盤調査が欠かせません。そんなときによく使われるのが「SWS試験(スウェーデン式サウンディング試験)」です。今回は、SWS試験の基本的な仕組みや調査方法、メリット、他の調査法との違いまでを長崎・佐賀・福岡を中心に九州で地盤調査・改良を行うタムラクレーンが解説します。

SWS試験(スウェーデン式サウンディング)とは

SWS試験は、住宅建設や小規模建築物における地盤の強さを調べるための簡易な地盤調査方法です。主に「スウェーデン式サウンディング試験」か「スクリューウェイト貫入試験」や「SWS」と呼ばれ、鉄のロッドにおもりを載せて地面に回転・貫入させ、その沈み込みや回転数から地盤の支持力を測定します。

この試験は簡便でコストが低く、現場でスピーディに実施できる点が特徴です。特に木造住宅などの比較的軽量な建築物を対象とした調査に多く用いられています。全国的にも一般的な方法として普及しており、地盤調査の第一歩として欠かせない存在です。

SWS試験の定義と役割

SWS試験は、地盤の「支持力」や「締まり具合(地盤の密度)」を把握するための貫入試験の一種です。先端がねじ状になった鉄棒を、一定のおもりをかけながら回転させて地中に貫入させ、その回転数や沈み方から地層の性質を判断します。

主な役割

  • 地盤の強さ(支持力)の評価
  • 地層構成の把握(砂質土、粘性土など)
  • 建築物の基礎設計に必要なデータの提供

建物の安全性を左右する基礎構造の設計において、地盤の状態を事前に知ることは非常に重要です。特に液状化や不同沈下のリスクがある地域では、SWS試験の結果が安全な設計を導く鍵となります。

SWS試験の具体的な方法

SWS試験は、シンプルながら精度の高いデータを得られる点が評価されています。ここではその具体的な方法について詳しく見ていきましょう。

使用する機材とその構造

SWS試験で使用される主な機材は以下の通りです。

  • スクリューポイント(先端が螺旋状の金属棒)
  • ロッド(回転させるための長い鉄の棒)
  • おもり(5kg単位、最大100kgまで加重)
  • 回転装置または手動ハンドル

これらを組み合わせて、地面に対して垂直にスクリューポイントを貫入させます。おもりの加重で沈まない場合は、手動または機械的に回転させ、何回転で一定深さまで入ったかを測定します。

試験の流れと手順

  1. 試験位置を設定:建物の四隅および中央の計5点で行うことが一般的です。
  2. ロッドを立てておもりを載せる:おもりの重さで自然に沈むかを確認します。
  3. 貫入が止まったら回転開始:25cm沈むまでの半回転数をカウントします。
  4. 一定の深さまで繰り返す:通常、深さ10m程度までを目安に調査します。(佐賀など軟弱地域は例外で20m越えもあり)

この結果をもとに、N値(地盤の硬さを示す値)に換算することで、地盤の性質を把握します。

SWS試験のメリットと注意点

SWS試験は広く利用されていますが、メリットやデメリットも知っておくことが大切です。

メリット

  • 低コストで実施可能:SWS試験は他の地盤調査方法に比べて、専用の大型機械や高額な機器が不要であるため、比較的安価に実施できます。特に戸建て住宅など、コストを重視するプロジェクトでは導入しやすく、予算の節約につながります。
  • 省スペースで実施できる:使用する機材がコンパクトで、人力や小型車両でも搬入が可能なため、隣地との距離が近い場所や道幅の狭い現場でも問題なく調査が行えます。住宅密集地や都市部では特に有効です。
  • 短時間で完了:1つの試験点あたりの作業時間は10~20分程度と短く、5点の標準的な試験であれば半日から1日以内に終了します。そのため、全体の工程を圧迫せず、設計や地盤改良の判断を迅速に進めることができます。

注意点と他の調査方法との比較

  • 転石が多い場合や、礫混じりの地盤では正確な数値が出にくい
  • N値の換算には経験や判断が必要
  • 深い層の調査には不向き

比較すると、ボーリング調査は深さや地質の詳細を把握するには優れていますが、コストやスペースの面で負担が大きいです。SWS試験はあくまで簡易調査であり、必要に応じて詳細調査と併用するのが望ましいでしょう。

SWS試験が活用されるシーン

SWS試験は、主に木造住宅などの小規模な建物を対象とする場合に利用されます。ここでは、具体的な活用シーンを紹介します。

住宅建設・地盤調査の現場での活用事例

  • 注文住宅や建売住宅の事前調査
  • 古家の建て替え前の調査
  • リフォーム時の基礎調査

たとえば、木造2階建て住宅を新築する場合、まずSWS試験を行って地盤が十分な支持力を持っているかを確認します。軟弱な地盤であれば、地盤改良工事が必要と判断されることがあります。

法規制や建築基準との関係

日本では、住宅を建築する際に地盤調査の実施が事実上義務付けられています。住宅瑕疵担保履行法に基づき、第三者による調査で基礎の設計を裏付ける必要があるため、SWS試験が採用されるケースが非常に多くなっています。

安心の住まいづくりは、確かな地盤調査から

SWS試験(スウェーデン式サウンディング試験)は、簡便・低コストで信頼性の高い地盤調査手法として、住宅建設をはじめとする様々な現場で活用されています。特に狭小地やコストに制約のあるプロジェクトにおいて有効であり、地盤の状態を把握する第一歩として重宝されています。

一方で、精密なデータを求める場合や特殊な地盤には、他の調査法との併用が推奨されます。専門家による適切な調査と解析を通じて、安全な住まいづくりの基盤を整えましょう。

長崎・佐賀・福岡を中心に地盤調査・改良を手がけるタムラクレーンでは、調査そのものは建築工程の中で目立つ作業ではありませんが、まさに「縁の下の力持ち」として、皆さまの大切な財産である住宅の安全を支えています。確かな調査で、安心の暮らしをお届けします。まずはお気軽にご相談ください。