腐植土とは?地盤改良で解決する後悔しない建物づくり

腐植土は、枯れた植物や落ち葉などが微生物によって分解されてできた有機質の土壌のことで植物の成長には有効ですが、建物の基礎となる地盤としては課題が多く、適切な地盤改良を施さなければ建築リスクが高まります。今回は長崎・佐賀・福岡を中心に地盤調査サービスを提供するタムラクレーンが腐植土の概要やリスク、改良方法について解説します。

腐植土の定義と性質、発生メカニズム

腐植土は、枯れた植物や落ち葉などが微生物によって分解されてできた有機質の土壌を指します。植物や動物の遺骸が長期間にわたって微生物により分解・発酵を繰り返し、有機物として蓄積された特殊な土壌で、主に泥炭地や湿地、低湿地帯などで自然に形成され、土壌中の有機物(腐植物質)は60%以上に達する場合もあります。

腐植物質には、フミン酸・フルボ酸・ヒューミンなどが含まれ、栄養分や保水性に優れる一方、建築用地としては圧縮性や含水比の高さが問題になります。黒色や暗褐色で、乾燥と吸水による体積変化が大きいため、建築物の沈下を引き起こしやすいのが特徴です。

腐植土が地盤に与える影響とリスク

腐植土地盤の主な問題点は、構造物の荷重に対して圧縮されやすく、沈下・傾きの原因となることです。特に住宅や中低層ビルのように長期にわたって静的荷重がかかる建築物では、不等沈下による構造トラブルが発生しやすくなります。また、腐植土はセメント系固化材との化学反応により、十分な改良効果が得られない場合もあるため、工法選定が非常に重要です。

また、腐植土層は非常に柔らかく、圧縮性が高いことから、荷重により沈下しやすくなります。特に腐植土が厚く分布している場合は、部分的に沈下する「不等沈下(不同沈下)」が生じやすく、基礎や壁にひび割れ、ドアの開閉不良といったトラブルを引き起こします。

腐植土に含まれる有機酸は、セメント系改良材の硬化を妨げることが知られています。このため、従来の改良工法では想定した強度が出ないことがあり、改良後に再施工が必要になる例もあります。対策としては、工法の変更(セメントを使わない工法)などが検討されます。

腐植土に対応する地盤改良の具体的方法

腐植土地盤では、適材適所の工法選定が地盤改良成功の鍵となります。土地の条件や建物の規模に合わせた柔軟な対応が求められます。

柱状改良や表層改良などセメント系には不適切な土質です

表層改良:地表から約2mまでの浅い部分をセメント系固化材で改良する工法です。コストは抑えられますが、腐植土層が固化不良を起こし、設計強度が出ないリスクがあります。

柱状改良:セメントミルクと土壌を混合し、深さ5〜10mにおよぶ杭状の固化体を地下に形成する工法です。腐植土地盤では固化不良を起こし、設計強度が出ないリスクがあります。

腐植土に適した地盤改良工法の選び方

腐植土の厚さ・分布・含水比を事前に正確に把握し、セメント系以外の材料や工法を選択する必要があります。また、改良深度や支持層の性状に応じて、小口径鋼管杭など支持層で直接支持する工法を選択する事が重要になります。

腐植土の地盤で建築する前に知っておきたい注意点

腐植土地盤に住宅や施設を建てる場合、事前準備の精度が建築の成否を分けます

正確な地盤調査

スウェーデン式サウンディング試験(SWS)では、腐植土自体を完璧に見つける事は不可能です。
タムラクレーンでは、スウェーデン式サウンディング試験(SWS)結果から、腐植土層の疑いがある場合には、土壌をサンプリングし、室内土質試験を行っています。これにより、腐植土かどうか確実に把握する事ができ、最適な改良工法の選定が可能となり、将来的なトラブルを未然に防げます。

腐植土対応の地盤改良業者を選ぶ

業者選定では、「腐植土対応」について明示されている会社を選ぶことが肝心です。事例紹介や施工実績を確認し、現地調査から地盤改良工事まで自社調査、自社施工として一貫して対応可能な業者が理想です。

腐植土地盤でも安心して建築するために

腐植土は自然豊かな土壌である一方、建築においては地盤の安定性に大きな課題を抱える土壌です。沈下リスクや改良工法の難易度を考慮すると、事前の調査と設計が成功のカギとなります。

以下のポイントを押さえておけば、腐植土のある土地でも安心して建築を進めることができます。

  • 地盤調査を正確に行うこと
  • 腐植土に適した地盤改良工法を採用すること
  • 信頼できる腐植土対応の業者を選定すること

適切な知識と計画に基づいた対応があれば、腐植土地盤でも安心・安全な建物を実現することが可能です。
タムラクレーンの地盤調査は、腐植土の疑いがある場合に対応できる室内土質試験も行っています。安心して家づくりや建物建設が行える調査を使命にていねいな地盤調査を心がけています。長崎・佐賀・福岡で地盤調査をお考えなら、まずはお気軽にご相談ください。