軟弱地盤とは?概要や地盤改良の工法についてわかりやすく解説

住宅や建物を建てる前に確認しておくべき「軟弱地盤」。地盤が軟らかいことで引き起こされる建物の傾きや地震時のリスクなど、さまざまなトラブルが潜んでいます。本記事では、軟弱地盤の特徴や原因、放置によるリスク、改善方法までを網羅的に解説します。

軟弱地盤とは?

軟弱地盤とは、建物の荷重を支える力が不十分な地盤のことを指します。建物の安全性や快適な暮らしに直結するため、住宅建設時には非常に重要なポイントです。

軟弱地盤とはどのような地盤なのか

軟弱地盤とは、主に土の粒子が緩く結合している粘土質や砂質土、水分を多く含んだ有機質土など、締まりのない地盤のことを指します。こうした地盤は、新しく乗る建物の重さや大きな力のかかる地震などの外力に対して変形しやすく、住宅の構造に大きな影響を与える可能性があります。たとえば、かつて沼地だった場所や、河川の近くに位置する土地は、長年の堆積によって緩い粘土層が厚く形成されており、軟弱地盤であることが多いです。

軟弱地盤が引き起こす主な原因

軟弱地盤には、自然的な要因人為的な要因の両方が影響しています。それぞれの原因を理解することで、軟弱地盤の形成過程を把握することができます。

地形や地質に起因する自然的な要因

自然的な要因には、地形の成り立ちから緩く堆積した地盤などがあります。主に平野部に流れ込んだ粒子の細かい粘土層など。これらの地層は、圧密が不十分で地盤強度が弱いという特徴があります。タムラクレーンの活動エリアで具体的に挙げると、佐賀の平野部や、長崎諫早の平野部、佐世保北部にある平野部など。あと島原半島などの火山活動が活発だった地域の場合、火山灰土が多く見られ、これらも不安定な土質のため軟弱になりやすいです。こうした場所では、地震時の液状化リスクも高くなる傾向にあります。

埋め立てや盛り土など人為的な原因

人為的な原因では、人工的に土地を造成したエリアが挙げられます。たとえば、宅地開発の際に土を盛って造成した土地や、廃棄物を埋め立てた場所などは、締まりが不十分で地盤が沈下しやすい状態にあります。このような場所では、住宅を建てた後に不同沈下が発生するケースも多く、地盤調査の重要性が増しています。
近年では盛土規制法が施行されて、人為的な原因についても品質が求められるようになり、今までの問題点が解消される事を期待しています。

軟弱地盤を放置するとどうなるのか?

軟弱地盤を放置したまま建築を進めてしまうと、建物や暮らしに大きなリスクをもたらします。

家の傾きやひび割れなど建物への深刻な影響

軟弱地盤では、建物の重みによって不等沈下(不同沈下)が起きやすくなります。これにより、家が傾いたり、壁や基礎にひび割れが生じるなど、深刻な被害が発生します。たとえば、新築から数年以内に玄関ドアが閉まりにくくなったり、床に傾斜を感じるようになったという事例もあります。

地震時に想定される液状化現象や不同沈下の危険性

軟弱地盤の最も大きなリスクのひとつが、地震による液状化現象です。地中の水分が圧力によって地表に吹き出し、建物が傾いたり沈んだりする現象で、特に砂質の地盤で多く見られます。また、地震の揺れで地盤が局所的に沈下する不等沈下(不同沈下)も、建物の構造に深刻な損傷を与えます。耐震性の低下や修繕費の増大にもつながるため、早めの対応が必要です。

不動産価値の低下や多額の修繕コスト

軟弱地盤によっておこった不等沈下(不同沈下)は、建物の不動産としての価値にも悪影響を及ぼします。住宅の査定額が下がるだけでなく、買い手がつかないといった問題も発生します。また、不同沈下や液状化の修繕には数百万円単位のコストがかかることもあり、ライフプランに大きな影響を与えます。
地盤保証(保険)への加入をしている場合は、補償で対応可能な場合もありますが、土地選びの際に地盤を確認できれば、事前にそういったリスクを想定してプランが組めますね。

あなたの土地は大丈夫?軟弱地盤の確認方法

目視でわかる軟弱地盤の一般的な兆候

まず、土地の状態を目視で観察することから始めましょう。たとえば、以下のような兆候は軟弱地盤の可能性があります。

  • 近隣の建物に傾きやひび割れが見られる
  • 雨が降った後に水たまりが長時間残る

これらの現象が見られる場合、地盤が水を含みやすく、排水性が悪いことを意味しており、軟弱地盤の可能性があります。

ハザードマップや過去の地形図から読み取る情報

市区町村が公開しているハザードマップ古地図(旧地形図)を活用することも有効です。特に、かつて沼地や川だった場所、田畑だったエリアは軟弱地盤である可能性が高いです。国土地理院の「土地条件図」や自治体の「防災マップ」などから、土地の履歴を確認し、建築リスクを事前に把握することが大切です。

地盤の専門家へ聞いてみる

もし建築会社との打合せをしているなら、思い切って建築会社へ相談してみましょう。建築会社の下請け会社として地盤の専門会社が必ずいますので、調べてもらえるかもしれません。逆に調べてくれない会社はあまりいいお付き合いはできないかもしれませんね。タムラクレーンでは、「土地を持っているけれど、軟弱地盤じゃないか心配。」「土地探しで気に入った場所があるけど、地盤が大丈夫か心配。」という方からの相談も対応しております。長い年月住む大切な財産ですから、安心して建築したいですよね。

軟弱地盤には「地盤改良工事」が必要不可欠

軟弱地盤に住宅を建てるためには、地盤改良工事が不可欠です。地盤改良工事の最大のメリットは、建物の安全性と居住性の向上です。適切な地盤改良により、不同沈下の防止地震時の液状化対策建物の長期耐久性の確保などのメリットがあります。

また、あらかじめ地盤を強化しておくことで、将来的な修繕リスクを軽減し、資産価値を維持することにもつながります。保険や保証の面でも、地盤改良工事は重要な意味を持ちます。住宅瑕疵担保責任保険では、適切な地盤改良工事が実施されていることが保険適用の条件となる場合があります。

地盤改良の主な工法と特徴

住宅の地盤改良工事では、軟弱地盤の深度地盤の性質建物の規模コストなどを総合的に考慮して、最適な工法を選択します。主要な工法として、表層改良工法柱状改良工法鋼管杭工法の3つが挙げられます。それぞれの工法には特徴と適用条件があり、地盤調査の結果に基づいて選択されます。

表層改良工法(深度の浅い軟弱地盤に適したケース)

表層改良工法は、地表から2〜3m程度の浅い地盤に対応した方法です。セメント系固化材を混ぜ込んで地盤を固めます。この工法は、比較的安価で短工期というメリットがある反面、深い軟弱層には対応できません。小規模な住宅向けに採用されることが多いです。

柱状改良工法(コストパフォーマンスに優れた一般的な工法)

柱状改良は、ドリルで掘削した穴に固化材を注入し、地中に柱を形成する方法です。深度は5〜10m程度まで対応可能で、多くの住宅で採用されています。地盤の支持力を確実に高められ、コストと効果のバランスが良いため、最もポピュラーな工法といえます。

鋼管杭工法(強固な支持層まで到達させる高耐久な工法)

鋼管杭工法は、鋼製の杭を強固な支持層まで打ち込む方法で、特に支持層が深い土地や、重量のある建物に向いています。費用は高めですが、非常に高い耐久性と安定性を持ち、地盤条件が厳しい場所でも安心して施工できます。

性能証明工法(先進的な技術開発で生まれた、コスト、環境性、安全性に優れた最新工法)

上記の工法は古くから日本の建築で多く用いられてきましたが、日本の地盤は種類が非常に複雑なため、あまり適していない工事が行われている事も少なくありません。適正だけでなく、性能も確かなものでない事件が数多く発生し、テレビや新聞を賑わせた事も覚えている方が多いのではないでしょうか。
そういった中、建築の技術は日々進化しており、その性能を判定審査して証明書を発行する機関ができまして、先進的な技術の中でも、性能が証明された工法が世に出るようになり、競争も相まって条件にあてはまれば素晴らしい工法といったものがたくさん施工されています。
タムラクレーンでも例外なく、先進的な工法を積極的に取り入れており、これから建築をする方が安心でき、コストメリットもあり、環境負荷も少ない工法を取り揃えております。もちろん、自社施工で高い品質の施工をお約束します。

・HySPEED工法(砕石パイル工法) 砕石を柱状に形成して地盤自体の強度を高める工法です。
・暁工法(小口径鋼管杭) 支持層まで打ち込む素材を強固にし材料重量を減らす事でコストカットと安全性を確保した工法です。
そのほかにも多数取り扱いあり。詳しくは、改良工事のページを参照してください。

軟弱地盤でも適切な地盤改良で安心して暮らすために

軟弱地盤は見た目では判断しづらく、住宅を建てるうえで見逃せない重要なリスク要因です。しかし、事前にしっかりと調査を行い、適切な地盤改良工事を施すことで、安全で安心な暮らしを実現することができます。特に住宅の新築を検討している方は、早い段階から地盤に関する情報を集め、専門業者への相談をおすすめします。